風邪を治すには、ひきはじめが肝心というように初期の対応がポイント。名医が行っている風邪の予防対策と治し方を紹介します。

毎年、風邪をひかないように対策を行っているつもりでも、また今年も風邪をひいてしまった。こんな経験どなたにもあるのではないでしょうか。一体、医療の専門家はどんな風邪対策を行っているのか気になるところです。
TV番組『林修の今でしょう講座」では、風邪の診察を行っている医師100人にアンケートを取り、どのような風邪の予防対策を行っているのか、また、風邪をひいてしまった時の早く治す方法をランキング形式で紹介していましたのでまとめました。参考にしてください。
医師が行っている風邪予防対策
1位:帰宅後手洗いだけではなく顔も洗う

帰宅したら手をきれいに洗うのは、すでに誰もが行っている風邪やインフルエンザなどの予防対策だと思いますが、顔まで洗う人は少ないのではないでしょうか。しかし、顔まで洗うにはちゃんと理由があります。
顔を触る事って多くないですか?
手にはたくさんのウイルスがついています。その手で顔を触ると顔にもウイルスが移ってしまいます。手をきれいに洗っても、顔を頻繁に触っていると、また手にウイルスがついてしまいますよね。ですので、顔も手も帰宅したら洗うドクターが多いんです。
また、ウイルスはパソコン、トイレなどのドアノブなどさまざまな所に付着しています。風邪やインフルエンザの感染を予防するためには、帰宅時だけではなく頻繁に手洗いを行うことが何より大切だと話していました。
効果的な手の洗い方
ポイントは短く2回洗う事!
- ハンドソープをつけたら手のひら、手の甲、指先、指の間、手首を10秒間揉み洗いします。
- 15秒間水ですすぎます。
- もう一度繰り返します。
このしっかり30秒間洗って15秒すすぐよりも、短い洗い方で2回洗う方がウイルスの数が減少する効果があるそうです。
2位:緑茶でうがいをする
実は、ドクターが風邪などの感染症予防に一番有効だと話していたのが、このうがいです。特に、緑茶でうがいをするとお茶の葉に多く含まれているカテキンがウイルスの増殖や活性化を予防してくれるそうです。

カテキンには抗菌・抗ウイルス効果があり、風邪やインフルエンザなどの予防や症状の緩和に効果的な事が分かっているのだとか。そこで、カテキンの量を多く出すお茶の入れ方を紹介します。
カテキンを多く出す緑茶の入れ方!
お茶の淹れ方でカテキンの量が変わります。より高い温度のお湯でお茶を入れるとカテキンが良くでてきます。熱湯のお湯でお茶を出し、冷ましてからうがいをしましょう。また、お茶はうがいだけでなく、飲む事でも予防につながるそうです。
さらに、鼻うがいもするとより風邪予防には効果的です。鼻うがいは鼻の奥に入った花粉やハウスダストなども洗い流すことができるので毎日の習慣にしてしまうといいですね。
ですが、鼻うがいはツーンと痛くなりそうです。実は、100gの水に対して1gの塩を入れると体の浸透圧と同じになって痛くないそうです。試してみてくださいね。
また、薬局にも鼻うがい用のキットが販売されているそうです。
3位:豚の生姜焼きを食べる
多くの医師が風邪予防に食べている食べ物が肉料理の「豚の生姜焼き」なんです。私も大好きなのでこれが風邪予防になるならこんなに嬉しい事はありません。
まずは、生姜から風邪予防になるメリットを紹介します。生姜にジンゲロールと言う成分が含まれています。殺菌作用があり喉の痛みを殺菌し症状を緩和する効果が期待出来ます。
このジンゲロールですが、熱を加えることでショウガオールと言う成分がつくられます。この成分は胃腸を刺激して体の内側から熱を作り体温を高める働きがあるので食べることで体温の上昇が期待でき、その結果、免疫力をアップする効果の期待ができます。
次に豚肉ですが、免疫機能を高めるのに欠かせない栄養素「ビタミンB1」が豊富に含まれています。ビタミンB1が不足すると免疫力が低下して風邪のウイルスが入りやすくなってしまいます。豚の生姜焼きは、この2つの成分を同時に摂取できる優秀な食べ物なんです。
4位:寝る時にマスクをする

風邪をひいてしまうのは寝ているときが多いそうです。口呼吸になり口の中が乾燥してしまいます。すると口の粘膜がダメージを受けて、そこからウイルスが侵入して増殖してしまうんです。風邪予防をするなら寝ている時の対策が大切なんですね。
マスクをすることで、口の中を保湿する効果があります。マスクが苦手な人は、部屋の中を湿度60%に保つようにしましょう。6畳の部屋なら濡れタオルを1枚干して寝るとおおよそ湿度が60%くらいなんだそうです。
また、マスクをすることで、空気中に漂っている風邪ウイルスや細菌の吸入を予防することができます。
5位:朝起きたらすぐに歯磨きをする

先ほどお話ししたように、夜寝ているときに風邪などのウイルスが口の中で増殖しています。その他にも口の中には約30億〜6000億もの細菌が存在するとも言われます。朝起きて、歯を磨かないでそのまま朝食をとると、そのままウイルスや殺菌を体内に入れることになります。
風邪などのウイルスは、表面がタンパク質の膜で覆われています。そのため、簡単には人間の細胞に侵入できない仕組みになっています。ですが、寝ているときにプロテアーゼと言うタンパク質を分解する酵素が増加してしまうのだそうです。
そため、ウイルスの表面のタンパク質の膜が破れてしまい感染力がアップしてしまうんです。それを予防するために朝起きたら一番に歯を磨きましょう。時間が無い時はマウスウオッシュでうがいをするのもOKだそうです。
6位:洗濯物は室内に干す・・・
部屋の湿度が40%以下になって乾燥するとウイルスが空気中に浮遊します。部屋の湿度が40%以上になるとウイルスが水分の重みで落下し空気中に浮遊するウイルスの量が減少します。
そこで、洗濯物を部屋に干して湿度をアップしてウイルスを撃退しましょう。加湿器を使う場合は、なるべく顔の位置に近い高い位置に置いた方が湿度が届くので効果的があるそうです。※説明書にしたがって使用してください。
7位:ホットヨーグルト・・・
免疫細胞の多くは腸内環境にあると言われています。免疫力が悪くなると免疫力が低下してしまいます。免疫細胞は温度が高い方が元気になる事が分かっています。
ですが、人間は朝は体温が下がっています。そこで、ヨーグルトをホットにして食べることで体を温める上げることができます。また乳酸菌は温めた方が活性化します。その結果、善玉菌が増加してウイルスや細菌をやっつけてくれます。
注意する事!
ですが、温める温度がポイントです。目安は35℃~40℃の人肌位の温かさ。電子レンジ600Wで30秒~40秒かけると乳酸菌が活性化する温度になりますです。63℃以上になと乳酸菌が死滅してしまうので温め過ぎないように注意しましょう。
風邪をひいてしまった時の早く治す方法
1位:20分のウォーキングをする。
風邪をひいたときに運動をするのは意外です。実は、風邪のひき初めなら、軽い運動をするとナチュラルキラー細胞やリンパ球などの免疫細胞が活性化しするそうです。風邪を引いたから体を休ませるより適度な運動をした方が血流が良くなり体が温かくなるので効果的なんだそうです。
但し、汗のかき過ぎは逆に体を冷やしてしまうので効果が無くなってしまいます。体温を少し上げる程度の運動がいいです。汗をかき始めたら運動は止めましょう。
2位:ひき始めに自分の体格に合わせて漢方薬を飲む
自分に合った漢方を見つけて風邪のひきはじめに飲むと良いそうです。風邪の初期に良い漢方薬は4種類ほどあり、自分の体格によって合う漢方薬を飲むのが効果的なんだそうです。
※漢方には製品番号があるそうです。その番号も記載しています。
3位:お粥に青ネギを入れる
青ネギには、ネギの青い部分にはアリシンと言う成分がふくまれています。強い殺菌効果があり風邪の原因の菌をやっつけてくれます。
また、アリシンはビタミンB1の吸収を助けてくれる効作用があるので血行をよくして体を温める作用があります。
その他にも、ねぎには抗酸化力高いビタミンCやβカロテンが含まれています。
4位:ハッカ飴をなめながらお風呂に入る
これは、意外な治し方ですよね。
ハッカ飴に含まれているメントールは咳止めやうがい薬にも使われている成分です。血管を拡張したり、抗炎症作用があります。鼻をスッキリさせたり、喉の痛みをとってくれる作用があります。
また、風邪をひいているときはお風呂を避ける人もいますが、お風呂の湯気の湿気は喉のせん毛の機能が戻す効果があります。それによってウイルスの侵入を防いでくれます。
熱が無い風邪の初期のひき始めならお風呂に入ってもOK。ただしお風呂から出たらすぐに寝るようしましょう。体を冷やさないことが大切です。
5位:温めたバナナを食べる
バナナに含まれているファイトトケミカルを温めると、体の免疫機能をサポートする力がアップすることが最新の研究で判明したそうです。
【作り方】
皮をむいたバナナを1本、電子レンジで600Wで30秒~40秒温める。先ほど予防のところで紹介したホットヨーグルトに入れても良いですね。
最後に:口呼吸を改善して風邪を予防する「あいうべ体操」
現代人は口呼吸を行っている人が多いそうです。その場合、風邪などのウイルスが侵入しやすくなってしまうそうです。
鼻呼吸の場合は、鼻毛が粘膜が細菌やウイルスを絡めてとってくれます。ですが口には毛が無いのでそのままウイルスや細菌が体内に入ってしまいます。
口呼吸を予防するには、舌の位置を上にすると自然に口が閉じて鼻呼吸になるそうです。「あいうべ体操」は、下がった舌を正しい位置に戻す体操なんです。
実際に「あいうべ体操」を取り入れている小学校もあり、この体操を行うようになってから風邪にかかる生徒の人数が減少したそうです。
【あいうべ体操やり方】
あ・い・う・べと言いながら、口を大きく開いて顔を良く動かします。そして最後の『べ』の時、舌を下に出します。毎日30回位やると良いそうです。
顔を動かくことで顔周りの温度が上がり免疫力が上がるそうです。