高血圧の種類は原因別に分類すると『本態性高血圧』と『二次性高血圧』の2つに分けられます。『本態性高血圧』には、早朝高血圧・夜間高血圧・白衣高血圧・仮面高血圧・若年性高血圧・妊娠高血圧などがあります。

また『二次性高血圧』も原発性アルドステロン症・クッシング症候群・褐色細胞腫・大動脈弁膜閉鎖不全症などがあります。さらに高血圧の程度によりⅠ度高血圧・Ⅱ度高血圧・Ⅲ度高血圧に分けられます。

最近では健康診断で異常がないのに日常生活の中で急激にに血圧が上昇する『血圧サージ』という症状も危険な高血圧として紹介されるようになりました。このように高血圧の種類には様々なタイプがあり、それぞれのタイプに合わせた適切な対策が必要と言われています。

本態性高血圧とは

高血圧には原因がわかるものと分からないものがあります。本態性高血圧とは、血圧が高くなってしまった原因を特定できない高血圧のことを言います。現在、約4,000万人いるといわれている高血圧患者全体の約9割を占めるといわれています。

本態性高血圧は原因の特定が難しく、複数の原因が重なっていると言われています。

・偏食やカロリー過剰摂取
・塩分の摂り過ぎ
・脂肪の過剰摂取
・喫煙やアルコールの飲み過ぎ
・運動不足
・ストレス
・加齢や遺伝

これらの環境的要因が関わっていると考えられています。

しかし、塩分は同じ位の塩分を摂っていても全ての人が高血圧になるわけではありません。肥満の人も同じように太っているから高血圧になる人とは限りません。生まれ持った遺伝的な体質も関係しているとも考えられています。この遺伝的要因は、交感神経を興奮させやすい脳神経系の異常や血管の平滑筋の細胞膜の異常です。

本態性高血圧の症状と注意点について

家族に高血圧の方がいる場合でも、両親が高血圧でない方でも関係なく高血圧にならないよう予防するには生活習慣です。塩分の摂りすぎ、過食と肥満、ストレス、喫煙、過剰なアルコール摂取、運動不足、カルシウムやカリウムの摂取不足など気をつけつことが大切です。

簡単に出来るインスタント食品や外食は味が濃く塩分が多く含まれています。家庭で塩分を気をつけていても外食などが多い方は注意が必要です。また、塩分だけではなく食べ過ぎにも注意しなくてはなりません。食べ過ぎは肥満の原因にもなり高血圧になってしまうリスクが高くなります。

さらに、肥満対策のためにも運動を忘れてはいけません。体に負担にならない軽い運動を毎日行うことを習慣にし継続することが大切です。適度に体を動かすことにより、ストレス発散にもなり体にもメンタルにも良い効果が得られます。

また、喫煙は百害あって一利なしです。たばこは止めるようにしましょう。とは言っても、そんなことはわかっている方がほとんどです。タバコを止めたくても止められないのが現状だと言う方は病院の禁煙外来に行って治療する事をおすすめします。自分が思っていたより、楽に禁煙に成功できたと言う方も多いです。

そして、一番大切なのが健康診断です。健康に気をつけていても高血圧になってしまっていることに気付かない方も多く高血圧を予防するには、定期的に医療施設での健診を行いさらに自宅でも毎日血圧を測るようにすると予防する事ができます。

また血圧を上昇させる原因と想定されるすべてを一つ一つ改善し血圧の上昇しない健康的な体質に戻す必要があります。もともと血圧が高い人は居ませんので、元の健康的なカラダに戻すのが基本です。つまり本態性高血圧の治療は、自分で生活習慣を改善する努力が必要になります。

二次性高血圧とは

二次性高血圧とは、高血圧になってしまう原因が他の病気にある高血圧です。その原因となっている病気を治療することで高血圧を治すことができます。原因がわからない本態性高血圧と違い、二次性高血圧は比較的若い人に多くみられ高血圧の4人に1人が二次性高血圧と言われています。

二次性高血圧の原因となる病気で比較的多いのは、腎臓の異常により起こる腎性高血圧と腎血管性高血圧になります。腎性高血圧とは、主に腎炎(糸球体腎炎)、腎盂腎炎、急性腎炎 慢性腎炎、糖尿病性腎炎などが原因です。腎血管性高血圧とは、腎動脈の動脈硬化が起こり、筋線維などが多くなってしまい 血管の内腔が狭くなってしまい起こります。その他に、線維筋性異形成、血栓症、寒栓症などが原因になります。

また、大動脈炎症候群でも高血圧になりこともあります。大動脈炎症候群は、炎症がある側の脈がふれにくくなり片側の腎動脈が狭くなるとレニンというホルモンの分泌が多くなります。内分泌高血圧とは、副腎皮質や副腎髄質から分泌されるホルモン異常が起こります。

内分泌高血圧の原因は、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症などです。血管疾患による高血圧の原因は大動脈弁閉鎖不全症 大動脈炎症候群、大動脈縮窄症などです。その他の二次性高血圧の原因は、脳血管障害、脳腫瘍、 脳炎、脳の外傷、妊娠中毒症などがあります。

また、薬剤が引き起こす高血圧があります。いくつかの薬品には 高血圧をもたらしてしまう場合があります。非ステロイド性抗炎症薬、肝疾患治療薬や漢方薬に含まれるグリチルリチン製剤 ぜんそくやリウマチの治療に使われるステロイド、経口避妊薬、 腎不全で使用するエリスロポエチンなどにより高血圧を起こすことがあります。

二次性高血圧は本態性高血圧と違い原因である病気の改善が出来れば血圧を下げることが出来るので、まずは原因を治すことです。また、二次性高血圧は初期に症状が早くみられるので発見が本態性高血圧より早く早期の治療が行えます。二次性高血圧の治療が遅れると本態性高血圧よりも悪化してしまう事もあり血圧が高いのに放置すると大きな病気を発症する危険性が高まります。

早朝高血圧とは

血圧が正常な方でも、1日の血圧は常に一定ではありません。お昼ごろは高く、夜になると低くなります。しかし、1日の中でも血圧が急上昇し注意が必要な時間帯があります。目覚めの時の早朝の時間帯です。急に血圧の上昇が起こり高血圧の状態になります。

特に、最大血圧、最小血圧共に上昇するのが午前6~9時の時間帯。この3時間は高血圧の人は特に注意が必要な時間帯といえます。早朝高血圧は、心臓や脳などの臓器に負担がかかり、夜から早朝にかけて脳卒中や狭心症などが起こりやすい時間帯といわれています。降圧薬などで高血圧の治療を受け血圧をコントロールをしている方の中にも早朝高血圧が起こる場合があります。

朝目覚めて測定し、収縮期血圧135mmHg/拡張期血圧85mmHg以上の場合は早朝高血圧の疑いがあるようです。早朝高血圧を引き起こす原因としては、アルコール、起立性高血圧動脈硬化の進行血圧を下げる薬の効果が短い、朝の冷え込み、高年齢、精神的ストレス閉塞性無呼吸症候群などが考えられるようです。

血圧が正常な方でも、季節や運動のあと、ストレスなどの感情の変化によって血圧は高くなったり低くなったりしています。また時間帯によっても血圧は違い、1日中一定しているわけではありません。血圧は、安静にしている夜の睡眠時は低く、朝方から徐々に上昇し昼間は高くなっていきます。

『早朝高血圧』とは、昼間の血圧は低くても、朝目覚めの起床前後に急に血圧の上昇が起こり高血圧の状態になってしまう現象が早朝高血圧です。このように血圧値が上昇する場合は、心臓や脳などの血管に負担がかかり狭心症・心筋梗塞などの心臓発作や脳梗塞を発症する可能性があり注意が必要です。

一番注意が必要な早朝の6時~9時の時間帯は布団の中で体を慣らしましょう。目が覚めたら布団の中で深呼吸を5回程すると血圧が10mmHgほど下がるようです。ですので朝は時間にゆとりをもってゆっくり起きるのが理想的です。目が覚めたからといって急に起き上がると血圧が上昇してしまいとても危険です。早朝高血圧にならないためにも、起き上がる前に布団の中で軽い手足のストレッチをゆっくりと行うと効果的のようです。

起き上がったら、すぐに、トイレに行ったり、冷たい水で顔を洗うのも避けましょう。まず、朝起きたらコップ1杯の麦茶を飲むことをおすすめします。麦茶の香り成分ピラジンには、血液をサラサラにする働きがあり起きてから飲む麦茶で血圧の上昇を抑える作用があります。睡眠中の発汗や尿などにより体内の水分が失われ、血液濃度が高くなりドロドロになります。その血液をサラサラにする働きに麦茶を利用してみてはいかがでしょうか。

また、季節によっても血圧は変動します。秋・冬の寒い日季節の早朝はとくに部屋などが冷えます。 暖かい布団から急に出てしまうと温度差があり、血圧を急上昇させてしまいます。上着や靴下やスリッパなどをを枕元に用意しておいたり起きる時間に合わせて部屋を温めておくといいでしょう。朝食の時間は腸が動き始める、起床後30分くらいが最適のようです。血圧上昇と、肥満防止のためには必ず朝食をとるようにしましょう。

早朝高血圧は、健康診断や病院での血圧測定は通常昼間に行われるため早朝の血圧が高いことは、診察室での血圧測定だけではなかなか発見できません。そのため、早朝高血圧は、隠れていて発見されにくい仮面高血圧の一つとされています。高血圧の方は家庭用血圧計などを用意し、毎朝の血圧を測り自分の平均を知ることが大切です。

夜間高血圧とは

寝る前には血圧を測り1日の血圧を把握しましょう!血圧は正常であれば夜間の眠ってる時間は血圧が安定し下がりますが夜間高血圧は、夜にも血圧がさがらなく、高い血圧の状態が続いてしまいます。

私たちの体は、夜間の血圧が下がっている時に血管などの修復を行っています。しかし、夜間高血圧だと1日中血管が働き続けているので、眠れていても実は、身体には大きな負担がかかりっぱなしの状態になります。すると、血管には大きな負担がかかり心臓や脳などの病気になる可能性が高くなります。

また、夜間高血圧は、朝から夕方は血圧が高いわけではないので、病院で血圧を測っても検査結果として夜間高血圧とは診断されずに終わってしまう可能性が高いといわれています。夜間高血圧と気がつかないまま治療も受けていないと、そのまま放置する事になり症状がドンドン進んでしまいます。

その結果、動脈硬化を起こしやすくなったり、睡眠時無呼吸症候群や糖尿病慢性腎臓病の方も夜間高血圧になってしまう危険性があります。そうならないためには、夜間高血圧ではないか知ることが大切です。血圧が高い方は、自宅で毎日寝る前なども血圧測定をして平均を出すことによって、しっかりと1日全体の自分の血圧を把握する事が重要です。

睡眠時は血圧が安定しているとは限らない

血圧は一日の中でも、上がったり下がったりしており一定ではありません。通常は血圧が正常であれば、安静にしている夜の眠っている間の血圧がもっとも低い状態です。

ところが、夜の睡眠時に血圧が高い状態になることがあります。それを、『夜間高血圧』と言います。『夜間高血圧』は、睡眠時無呼吸症候群とも関係性があり治療が必要です。夜間高血圧の特徴、注意点や対策についてまとめています。

睡眠時無呼吸症候群と関連性

夜間高血圧の原因の一つとして塩分の取り過ぎが考えられます。腎臓が過剰に取り過ぎた塩分を夜間の時間に上手くコントロールできなくなってしまいます。ですので減塩の食事管理が必要になります。また、睡眠時無呼吸症候群も夜間高血圧の原因の一つと言われています。睡眠時無呼吸症候群の原因として

 ・肥満のため首が太く気道を塞いでしまう。
 ・舌が大きく喉を塞いでしまう。
 ・軟口蓋と呼ばれる鼻と喉の境の部分が垂れ下がる。
 ・顎が小さく後退しているため、気道の断面積がもともと小さい。
 ・鼻の空気の通り道が曲がっている。
 ・扁桃が大きかったり、アデノイドがある。
 ・寝ているときに喉がふさがりやすい体質。

などがあります。症状としては、睡眠中に呼吸が止まり、呼吸が再開するときに大きないびきを伴います。下記の症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いので注意が必要です。

 ・昼間眠くなる、熟睡感がない。
 ・記憶力が低下する。
 ・起床時、頭痛がする。
 ・夜間、何回もトイレに行くなどがある。

睡眠時無呼吸症候群の方は、冠動脈疾患が約3倍、脳卒中が4倍、糖尿病が1.5倍と発症してしまう可能性があります。

夜間高血圧は、このように肥満が大きくかかわっています。体重が1kg減ると血圧が約4mmHg下がるとも言われていますのでまずは、肥満対策のため低カロリーの物を選んだり、体の負担にならない散歩などの軽い運動を実践しましょう。また、少しでも症状がありましたら早めに病院で受診することが夜間高血圧を予防することになります。

若年性高血圧とは

高血圧と聞くと、中高年の方に多い病気として知られていますが、現代は、20代や30代の若い方達にも高血圧の人が増えており大きな問題になています。若い人が高血圧になる原因の一つに現代社会が抱えて大きな問題点が関連しています。忙しい毎日での食生活、外食やインスタント食品が多く、塩分や脂肪を多くとり過ぎそのためビタミン、ミネラルなど野菜不足の食習慣によっての肥満。

今の若い人たちの仕事は身体を動かす機会も減り、仕事でも汗を出すことが少なく食生活では、外食や簡単に食べれる食品が増え塩分なども、多く摂取しています。中には、家庭に高血圧の方がいると遺伝などもありますが、高血圧の家庭の食事の味付けなどが濃い場合もあるようです。また、若い年齢ならではのストレスを抱えている方も多く、喫煙や加減をしない飲酒などの理由から高血圧になることもあります。

思春期から20代後半にかけて成長期になるため、身体の中のホルモンバランスが不安定になり若年層に多い高血圧はホルモンバランスの乱れが原因の場合もおおいです。また、神経やホルモン、特に副腎から出るアルドステロンやアドレナリン腎臓から出るレニンと、それらで作られるアンギオテンシンの血管への作用とアルドステロンの過剰やナトリウムの蓄積など、いろいろな原因から起こるようです。原因が分かればそれに対処した治療が行われ、正常な血圧に戻すことが出来るようになります。

若年性高血圧の原因と症状

思春期から青年期にかけて、成長過程で起こるホルモンバランスの変調から一過性の高血圧になってしまうことがありますが、若年性高血圧は落ち着けば自然に正常血圧値に戻るようです。ですので、肥満症の子供では厳しい食事制限は必要ありませんが、高脂肪食や過食、甘い物の食べ過ぎは十分に注意する必要があります。

若い人たちは運動不足の方がとても多く、体にもよくありません。食事も低カロリーなどばかり気にするのではなく、腹八分目を心がけ満腹にならないようにすることも大切のようです。ウォーキングやジョギング、水泳歩行など有酸素運動は効果的です。毎日の習慣に出来るようにするのが理想的ですが、時間がなく忙しい方でも簡単な運動は必要なので、仕事などの合間に軽い運動や日常生活の中にストレッチなどを取り入れるのも良いそうです。

若年性高血圧はこのように、生活習慣の見直しがとても大切です。生活習慣を改善していけると成長とともに高血圧が改善されることが多いようですですが、若年性高血圧になってしまった方は、そうでない方に比べると、将来高血圧になってしまう可能性が高いので生活習慣の改善は大切な事です。

また、若いうちから高血圧が続いてしまうと、動脈硬化が早くから起こってしまうので脳や心臓の大きな病気にもなりやすくなってしまうので注意しましょう。若年性高血圧は若いから高血圧なんて・・・と病院などに行く機会が少ないため発見が遅くなることがあります。ですので、若いからと思わず、20代では年に1回、30代では年に2、3回健康診断に行くことで早期発見につながります。

妊娠高血圧とは

女性は男性に比べ血圧が低めなので高血圧の割合も低いです。ですが、妊娠している女性は注意が必要です。 マタニティ雑誌などで”妊婦高血圧に注意しましょう”と言う文字を良く見かけるかと思いますが、妊娠中は高血圧になりやすいと言われており、これを『妊娠高血圧症』と言います。

従来は、妊娠中毒症の症状の一つと考えられていましたが、2003年に新しい妊娠中毒症の定義に変わり『妊娠高血圧症候群』の名称に改められました。 妊娠高血圧症になる原因は、まだはっきりと分かっていませんが、もともと高血圧の素因がある人や、胎盤から血管内皮や腎臓を障害してしまう物質が作られ高血圧や腎症を起こしてしまうなど、母体の状態によって引き起こされる事があるようです。

妊娠すると妊娠中期くらいに少し血圧が下がり、出産が近づくにつれ血圧が上がり出産が終わると元の血圧値に戻るようですが、妊娠前より血圧が高い人は要注意です。初産の方にも多く、経産婦より発症してしまう可能性が高く、仕事などのストレスが溜まりやすい人も注意がいるようです。

主な症状は、頭痛やめまい、目がチカチカし、視覚障害があり、重症化してしまうと腎機能の低下や肺水腫などの症状が現れるようです。また、けいれんなどが起こる場合もあるようです。そして、一番心配なお腹の赤ちゃんへの影響ですが、母体の蛋白尿がひどくなると毎日5~10gの蛋白が母親の体内から失われ低蛋白血症となります。そのため、胎児へ送っている栄養が減少してしまいます。

妊娠高血圧の注意点

また悪化すると、胎盤の状態が悪くなり、臍帯(へそのお)を通じて送っている酸素や栄養物がうまく胎児に届かなくなります。その状態が続いてしまうと、赤ちゃんが仮死状態になってしまいとても危険な状態に陥ってしまう場合もあり、まだ赤ちゃんが未熟な状態でも帝王切開で赤ちゃんを出産せざるをえなくなります。

このように、重症化してしまうと母子共に大変危険です。ですので、妊婦検診には必ず行ったり、自宅で血圧を測って血圧のこまめなチェックはとても大切です。そして、塩分や高カロリーの物を食べ過ぎないようにし妊娠高血圧症にならないように予防していきましょう。

原発性アルドステロン症が原因の高血圧とは

原発性アルドステロン症とは、副腎皮質の原発性病変によりアルドステロンが過剰に分泌される疾患です。原発性と特発性に分かれます。全高血圧患者の0.3%を占めてい女性に多く、好発年齢は30~50歳代です。アルドステロンの電解質代謝作用により症状が起こります。

ナトリウムの貯留による高血圧は必発で、しばしば頭痛を伴う事があります。カリウム血症や代謝性アルカローシスが起こり、筋力低下、周期性四肢麻痺、尿濃縮能低下による多飲多尿、テタニーなどの症状となります。血漿アルドステロン濃度は高値で、カプトプリル投与や食塩水の点滴をしても抑えることが出来ません。

血漿レニン活性は低値で立位、利尿薬、カプトプリルなどの刺激により上昇しないのが特徴です。CT、MRI,副腎シンチ、副腎静脈採血などの検査により腺腫の存在部位を検索します。CT,MRIの解像力の向上により、高率で腺腫の存在部位を確定しています。腺腫は外科的手術により摘出して根治を図ります。術前にカリウムの補給を実施し、低カリウム血症による心房細動を予防します。

電解質代謝系の異常は速やかに改善され、血漿アルドステロン、レニンも徐々に正常値となってきます。それに伴って血圧も正常化しますが、腎硬化などの臓器障害がある場合には高血圧が残ることがあります。手術が出来ない場合には、経口的にカリウムを補給しながら、抗アルドステロン薬を投与して、降圧が不十分である場合はカルシウム拮抗薬などを併用します。

原発性アルドステロン症の治療法は、簡単に言えば、副腎に腫瘍などが出来てホルモンの異常分泌によって血圧が上昇するので、副腎を摘出してしまえば高血圧は完治します。しかし、外科手術ができるのは、2つある副腎のどちらか一方がホルモンの異常分泌している場合に限られますので、両方の副腎が原因となっている場合は、薬物治療しか方法はありません。

褐色細胞腫が原因の高血圧

褐色細胞腫とは、褐色細胞腫とは、カテコラミンを産生・放出する腫瘍で大きさは数gから数百gにも大きくなります。被包された球形~卵形をして実質性であり、大型になると内部に出血・壊死や嚢胞を認めることがあります。発生頻度は全高血圧患者の0.1%程度と少なく、男女差もほとんどありません。

好発年齢も20~50歳代となっています。両側性の腫瘍、副腎外の発生、遠隔転移を伴う悪性型、家族内の発生が認められます。

カテコラミンの作用により多彩な症状があります。高血圧は必ずしも発作的でなく、持続的な高血圧を呈する場合もあります。頭痛、動悸、発汗が多く認められ、体重減少、視力障害、胸痛、腹痛、嘔気、嘔吐、顔面蒼白、振戦、不安感、便秘などの症状があります。

検査では、白血球増多、高コレステロール血症、尿たんぱく、耐糖能異常、心肥大などが認められることが多くなります。血漿カテコラミン濃度は発作時に著明に上昇するだけでなく、発作以外でも上昇している事があります。腫瘍は大型であるため、CT,MRI、超音波検査でも容易に確認ができます。シンチグラムも副腎外の腫瘍や転移巣を見つけるのに有用です。

褐色細胞腫の治療では、外科的手術で腫瘍を摘出するのが基本となります。α、β遮断薬による手術前・術中の血圧コントロールと手術後は循環血液量を確保するため補液を行います。悪性型にも原発巣と転移巣も可能な限り摘出します。その後、化学療法や放射線療法を行います。

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